特許事務所にはいつ相談に行くべきか

掲載:2025年12月8日

特許事務所にはいつ相談に行くべきか

発明を完成させた後であれば可能な限り早く、望ましくは完成前が理想的です。

 もくじ

発明の完成前から特許事務所に相談すべき3つの理由
 1. 先願主義で他社に負けるリスク
 2. 重複研究・重複出願のリスク
 3. 知財戦略への実装
注意事項
・特許事務所には大企業向けとそれ以外の2タイプがあります
・情報発信の少ない個人事務所は要注意かもしれません

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発明の完成前から特許事務所に相談すべき3つの理由

1. 先願主義で他社に負けるリスク

特許は先願主義と言って、同一の発明であれば最初に特許出願をした人が特許を受けることになります。しかし、特許出願に必要な書類をすべて揃えるにはそれなりの時間と調査が必要になります。そのため、ほとんどの特許事務所では発明の完成を見越して特許出願書類を作り始めます。

特許出願の準備は発明が完成してからでは遅く、理想的には発明完成の6割、遅くても8割完成に至る頃には特許出願の準備を始めておきたいところです。また、発明が完成してから特許事務所・弁理士を探していると、それ自体がかなりのタイムロスとなります。先願主義で他社に負けないためにも、発明の完成前から特許事務所に相談しておきましょう。

2. 重複研究・重複出願のリスク

弁理士は、特許出願書類を作成するときに、他社の出願状況・開発動向の調査を行い、重複出願が行われないように注意を払っています。そのため、開発段階で他社の重複研究を発見したり、先行出願を発見したりすることがあります。

このとき、いち早く開発計画に修正をかけ、重複研究を避け、将来的に他社と特許出願で競合しないように舵取りを行うのも、特許事務所の仕事です。これを会社の一部署として組織的に行われているのが知的財産部と呼ばれる部署です。発明が完成してから他社の技術調査を開始するのは、あまりに遅れをとってしまうリスクを抱えてしまいます。

3. 知財戦略への実装

特許は、単に特許があるだけでは収益を生み出しません。特許があることによりお金の支払いが生じるビジネスモデルを組むことを知財戦略と言い、特許で収益化を果たすには、必ず特許を何らかの知財戦略に実装する必要があります。従来の日本の大企業のように、開発から製造、販売までの全てを掌握するビジネスモデルであれば、そこまで知財戦略を検討する必要もないのかもしれません。しかし、ほとんどの企業では何らかの知財戦略が必要で、特許自体も知財戦略に実装しやすい形に権利範囲を事前に設計しておく必要があります。

そのため、発明が完成してからでは知財戦略への実装に不自由が生じる可能性も生じてしまいます。事前にどのような収益モデルを想定しているのか、その計画に基づいて開発計画や特許出願計画を立てる必要があり、そのためにも発明の完成前から特許事務所に相談しておくことが大切と言えます。

注意事項

特許事務所には大企業向けとそれ以外の2タイプがあります

特許事務所は、特定の大企業から集中して出願業務を受注しているタイプの特許事務所と、そうでない特許事務所の大きく分けて2タイプがあります。ほとんどの企業様の場合、特定の大企業から集中して出願業務を受注していないタイプの特許事務所を探し、仕事を引き受けてもらう必要があります。

見分け方は簡単ではありませんが、一般に(特に関西では)創業50年から60年を迎え、何人もの弁理士を雇っているいわゆる大事務所が前者の大企業向けの特許事務所だと推測していただいてあらかた大丈夫です。また、これも一般論ではありますが、知財戦略といったコンサルティング業務も取り扱っている特許事務所・弁理士は、それをするために独立開業している場合も多いため、損をしたくないのであれば最初は面倒でも個人事務所を何件か回って相性の良い先生を見つけることが大切になります。

情報発信の少ない個人事務所は要注意かもしれません

個人事務所であっても、この時代に十分な情報発信もせず、どう見ても外注としか思えないホームページに無味乾燥したSNS運用を行なっている特許事務所・弁理士は、時代に合わないやや要注意な特許事務所・弁理士かもしれないと思われた方が、賢明かもしれません。また、弁理士の世代によってもビジネスに対する捉え方が大きく異なる場合もあります。傾向として、世代が上がると製品中心・プロダクト中心のビジネスモデルを好み、ある世代からはサービス中心・戦略中心のビジネスモデルを好む傾向が強くなると私は感じています。この点においても、最初は個人事務所を何件か回って相性の良い先生を見つけることが大切と言えるでしょう。